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賃貸物件が台風・大雨で浸水したら?罹災証明書や保険、賃料減額の手続きを解説

2026.09.24

「もし住んでいる部屋が台風や大雨で浸水してしまったら、まず何をすればいいのか」

 

物件選びの段階でハザードマップを確認していても、実際に被災してしまった場合にどう動けばいいかまで知っている人は多くありません。この記事では、賃貸物件が水害に遭ったときに確認したい手続きや、知っておきたい賃借人の権利について解説します。

 

被災直後にまずやること

身の安全を確保する

浸水が始まっている、または始まりそうな状況では、無理に自宅に留まらず、安全な場所への避難を最優先してください。感電や漏電の危険があるため、水に浸かった状態でのコンセント操作などは避けましょう。

被害状況を写真に記録する

安全が確保できた段階で、片付けや修理を始める前に被害状況を写真で記録しておきましょう。自治体の案内では、建物の外観をなるべく4方向から、浸水した深さがわかるように撮影し、室内は被災した部屋ごとの全景と、被害箇所の寄りの写真を撮っておくことが推奨されています(出典:喜茂別町「罹災(り災)証明書の発行手続きマニュアル」)。この写真は、罹災証明書の申請や保険会社への請求の際に必要になります。

大家・管理会社、保険会社へ連絡する

家が浸水したことと、おおよその浸水の深さを、施工会社や大家・管理会社に伝えましょう。火災保険や共済に加入している場合は、担当者にも連絡します(出典:浸水被害からの生活再建の手引き)。契約している保険会社がわからない場合は、日本損害保険協会の「自然災害損保契約照会センター」(電話:0120-501331)に問い合わせることができます(出典:同上)。

 

罹災証明書の申請

罹災証明書は、自然災害によって生じた住宅の被害(床上浸水・床下浸水など)の程度を証明する書類です。市区町村に被害を届け出て、被害認定調査(または軽微な場合は写真による自己判定方式)を受けたうえで発行されます(出典:世田谷区「罹災証明書・被災証明書の申請手引き」)。

 

罹災証明書は、保険金の請求、確定申告での雑損控除の申請、税金や保険料の減免・猶予の申請などに使用します(出典:柏市「罹災証明書」及び「被災届出証明書」の申請・発行)。申請には、被害状況がわかる写真や本人確認書類が必要になるのが一般的です。窓口・郵送・オンラインなど申請方法は自治体によって異なるため、お住まいの市区町村のホームページで確認しましょう。

 

なお、賃貸住宅にお住まいの場合、建物そのものの罹災証明書は所有者(大家)が申請するケースもありますが、家財の被害については入居者自身が「被災証明書」などを申請できる場合があります。詳しくは自治体の窓口に確認することをおすすめします。

火災保険・家財保険で確認したいこと

賃貸物件の入居時に加入する火災保険には、多くの場合「家財保険」が含まれており、水災(洪水・浸水など)による家財の損害が補償の対象になっているケースがあります。ただし、補償内容や免責金額は契約プランによって異なるため、まずは自分の加入している保険の水災補償の有無を確認しましょう。保険証券が見つからない場合は、前述の自然災害損保契約照会センターで契約の有無を照会できます。

 

保険金を請求する際には、被害状況の写真や罹災証明書の提出を求められることが一般的です。片付けを始める前の写真が重要になるため、修理や廃棄を急ぎすぎないよう注意しましょう。

 

賃貸ならではの権利:賃料が減額される場合がある

意外と知られていませんが、部屋の一部が水害で使えなくなった場合、賃料が減額されることがあります。2020年4月に施行された改正民法第611条では、「賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される」と定められています(出典:民法第611条第1項)。

 

この改正のポイントは、改正前は借主からの「減額請求」があって初めて減額されるとされていたのに対し、改正後は請求の有無にかかわらず「当然に」減額されるとされた点です(出典:弁護士ドットコムニュース、鈴木義仁弁護士による解説)。台風や大雨による浸水は、借主の責任によるものではないケースがほとんどのため、この規定の対象になり得ます。

 

また、残った部分だけでは契約の目的を達成できないほどの被害がある場合、借主は契約を解除することも認められています(民法第611条第2項)。実際の減額割合や適用については個別の状況によって異なるため、被害の程度を大家・管理会社に伝え、必要であれば専門家にも相談しながら協議することが大切です。

被災後の対応チェックリスト

  • 安全を確保したうえで、片付け前に被害状況を写真で記録したか
  • 大家・管理会社に浸水の事実とおおよその深さを伝えたか
  • 加入している火災保険・家財保険の水災補償の有無を確認したか
  • 罹災証明書の申請方法を、お住まいの市区町村のホームページで確認したか
  • 賃料減額について、大家・管理会社と協議する準備ができているか

 

よくある質問

賃料の減額は自動的に適用されますか?

改正民法第611条では、借主からの請求がなくても当然に減額されるとされていますが、実際の減額割合は被害の程度によって異なり、個別の協議が必要になる場合があります。まずは大家・管理会社に被害状況を伝えることから始めましょう。

浸水した家財はすべて保険で補償されますか?

補償の対象や金額は契約している保険の内容によって異なります。契約時の証券や約款を確認し、不明な点は保険会社に直接問い合わせることをおすすめします。

罹災証明書はどこで申請できますか?

お住まいの市区町村の窓口(税務課や防災担当部署など)で申請できます。自治体によっては郵送やオンライン申請にも対応しています。詳細は各自治体のホームページで確認してください。

まとめ|「もしも」に備えて手順を知っておく

台風や大雨による浸水は、いつ自分の身に起こるかわかりません。いざというときに慌てないためにも、被害を受けた際の基本的な流れ(記録→連絡→罹災証明書の申請→保険請求)を知っておくことが大切です。また、賃貸には賃料減額などの権利もあるため、被害の程度を大家・管理会社にきちんと伝えることも忘れないようにしましょう。

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