
「家賃が上がり続けていて、子育てや新婚生活の負担が重い」
そんな声に応える制度が、2026年度から東京都で始まっています。
結論からいうと、東京都は子育て世帯や新婚世帯を対象に、契約家賃から2割を減額する「アフォーダブル住宅」の供給を開始しました。この記事では、対象となる世帯や家賃減額の内容、募集の流れを、東京都の発表内容をもとに解説します。
目次
アフォーダブル住宅とは
アフォーダブル住宅とは、市場価格と比べて低廉な家賃で住める住宅の総称です。東京都の資料では、子育て世帯等が手頃な家賃で安心して住める賃貸住宅と説明されています(出典:東京都 報道発表資料 2026年5月29日)。東京都は「2050東京戦略」の一環としてこの取り組みを進めており、都と東京都住宅供給公社(JKK東京)が連携して、既存の公社住宅を活用する形で供給を行っています。
なぜ今、こうした制度が必要とされているのか
背景にあるのは、家賃の上昇です。以前お伝えした通り、アットホームの調査では2026年2月時点の23区・30㎡以下の単身向けマンションの平均家賃が11万177円と、前年同月比12.0%上昇しました(出典:アットホーム調査、ダイヤモンド不動産研究所 2026年5月28日公開)。また、一橋大学・大東建託の家賃指数は2018年12月から86ヶ月連続で上昇しています(出典:一橋大学・大東建託 2026年2月25日発表)。家族向けの広さのある住戸となれば負担はさらに重くなるため、子育て世帯や新婚世帯の住居費を下支えする公的な取り組みが求められている状況です。
JKK東京のアフォーダブル住宅の概要
JKK東京では、周辺に公園や学校があるなど子育てに適した住宅のうち、45㎡以上または2居室以上の住戸を、今後6年間で1,200戸供給する計画です(毎年度200戸ずつ)。対象となる世帯と主な要件は以下の通りです(出典:同上、東京都住宅政策本部「都におけるアフォーダブル住宅の取組について」令和8年6月30日改訂版)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象世帯 | 子育て世帯(18歳未満の子と同居する世帯等)、新婚世帯(入籍後3年未満の世帯等) |
| 収入要件 | 世帯年収1,200万円未満 等 |
| その他の要件 | 都内居住期間1年以上 等 |
| 供給規模 | 今後6年間で1,200戸(毎年度200戸) |
詳細な要件は、JKK東京ホームページ内の特設ページで確認できます(出典:東京都 報道発表資料 2026年5月29日)。
家賃はどのくらい安くなる?
アフォーダブル住宅では、契約する家賃から2割が減額されます。なお、家賃とは別に共益費がかかります。減額される期間は、世帯の種類によって異なります(出典:同上)。
- 子育て世帯:入居日から12年間、または末子が18歳となる年度末のいずれか短い期間
- 新婚世帯:入居日から3年間(子どもが生まれた場合は合計12年間まで延長可)
参考として、契約家賃が月10万円の住戸を例にすると、2割減額で月2万円、年間24万円の負担軽減となります(あくまで単純な計算例であり、実際の家賃や減額額は住戸によって異なります)。減額期間が終了した後も、新たに賃貸借契約を結ぶことで、引き続き居住が可能とされています(出典:東京都住宅政策本部、同上)。
募集の流れ
アフォーダブル住宅の入居者募集は、2026年6月から始まっており、7月以降は毎月募集が行われています。初回募集(2026年6月)のスケジュールは以下の通りでした(出典:東京都 報道発表資料 2026年5月29日)。
- 募集住戸の公開:6月19日(特設ホームページで公開、初回は20戸)
- 募集期間:6月23日〜6月26日(申込フォームから申し込み)
- 抽せん日:7月1日
- 契約日(家賃発生日):8月1日
2回目以降の募集期日や募集住戸は、特設ホームページで随時更新されるとされています。現在の最新の募集状況については、今回の調査では確認できませんでしたので、申込を検討する場合はJKK東京の特設ホームページで直接ご確認ください。
民間ファンドによるアフォーダブル住宅も
公社住宅を活用したものとは別に、東京都は民間との共同出資による「官民連携アフォーダブル住宅供給促進ファンド」も創設しています。このファンドは、野村不動産・野村不動産投資顧問が運営事業者に選定され、京王電鉄が共同出資者として参画しています。初弾として、東京都江戸川区の2物件・31戸が子育て世帯向けのアフォーダブル住宅として、2026年5月29日から入居者募集が開始されました(出典:野村不動産ほか 2026年5月29日発表)。ファンド全体では、350戸程度の供給が予定されています(出典:東京都住宅政策本部、令和8年5月29日資料)。
申込前に確認したいポイント
対象要件を満たしているか
子育て世帯・新婚世帯の定義、収入要件、都内居住期間などの条件は細かく決められています。申込前に、特設ホームページで詳細を確認しましょう。
共益費は別にかかる
減額の対象は「家賃」のみで、共益費は別途かかります。トータルの月額負担を把握しておくと安心です。
抽せんとなる可能性がある
募集は抽せん方式で行われるため、必ず入居できるとは限りません。複数の選択肢を並行して検討しておくとよいでしょう。
チェックリスト
- 子育て世帯・新婚世帯の要件に当てはまるか
- 世帯年収が1,200万円未満か
- 都内居住期間が1年以上あるか
- 共益費を含めた月額の負担を把握したか
- 抽せんに外れた場合の代替案(民間賃貸など)も検討しているか
よくある質問
どこで申し込めますか?
JKK東京の特設ホームページ内にある申込フォームから申し込みます。入居者募集に関する問い合わせは、東京都住宅供給公社の公社募集課(アフォーダブル住宅専用ダイヤル)で受け付けています(出典:東京都 報道発表資料 2026年5月29日)。
対象外でも利用できる制度はありますか?
この制度は子育て世帯・新婚世帯を対象としたものです。対象外の方は、他の公的住宅制度や、民間賃貸の中から条件に合う物件を探す方法があります。
今後、対象は広がりますか?
今後の制度拡大について、確認できる情報は今回見つかりませんでした。
まとめ|家賃負担を抑える選択肢のひとつとして
東京都のアフォーダブル住宅は、子育て世帯や新婚世帯を対象に、契約家賃から2割を減額する制度です。家賃の高騰が続く中、対象となる世帯にとっては、住居費の負担を抑える有力な選択肢のひとつになります。一方で、募集は抽せんで、対象要件や供給戸数にも限りがあります。制度の活用を検討しつつ、民間賃貸も含めた複数の選択肢を持っておくことが大切です。
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