
「マイホームを買うか、賃貸を続けるか」を考えるとき、見落としがちなのが住宅ローンの金利動向です。
結論からいうと、長期固定金利型の住宅ローン「フラット35」の金利は2026年に入って上昇が続き、現行制度が始まった2017年10月以降で最高水準に達しています。この記事では、最新の金利データと、賃貸を選ぶうえで押さえておきたい視点を解説します。
目次
フラット35金利の最新動向
住宅金融支援機構が発表した2026年6月のフラット35(買取型、融資率9割以下、借入期間21年以上)の金利幅は3.21%〜5.48%で、最も提供の多い最頻金利は3.21%となりました。前月比+0.50ポイントの上昇で、3カ月連続の上昇です。この3.21%という水準は、現行制度になった2017年10月以降で最高となりました(出典:住宅金融支援機構 2026年6月発表)。
その後も上昇は続いており、2026年9月時点でフラット35の最も多い金利は3.460%(前月比+0.17ポイント)、最も高い金利は5.690%(前月比+0.21ポイント)となっています(出典:finance.recruit.co.jp「【フラット35】金利推移と最新動向」2026年9月更新)。2026年に入ってからの推移を見ると、上昇のペースの速さがうかがえます(出典:楽天銀行「フラット35の金利推移」)。
| 適用月 | 返済期間21〜35年 |
|---|---|
| 2026年1月 | 1.79% |
| 2026年3月 | 1.96% |
| 2026年5月 | 2.42% |
| 2026年6月 | 2.92% |
| 2026年8月 | 3.00% |
1月から8月までの半年余りで、1ポイント以上金利が上昇していることがわかります。
なぜ金利が上昇しているのか
フラット35のような固定金利は、長期金利(10年物国債利回り)を基準に決まります。長期金利は2025年12月30日時点で2.066%でしたが、2026年1月20日には2.33%まで上昇し、2026年8月31日時点では2.943%と、実に30年ぶりの高水準に達しています。1年前(2025年8月29日時点)と比較すると、1.78ポイントも上昇したことになります(出典:finance.recruit.co.jp、同上)。
日銀は2024年3月から2026年6月までに4回の追加利上げを実施し、政策金利は現在1.0%となっています。変動金利は大手銀行で1.0%前後にとどまっているものの、フラット35のような固定金利は、この長期金利の上昇を先取りする形で大きく値上がりしているのが現状です(出典:ダイヤモンド不動産研究所「住宅ローン金利は今後どうなる?」2026年7月23日公開)。
金利上昇で、実際の負担はどう変わるのか
金利の変化が住宅ローンの返済額にどう影響するか、3,000万円を35年で借りる場合を例に、簡単な計算例で見てみましょう(あくまで一般的な計算式に基づく参考例であり、実際の返済額は金融機関や条件によって異なります)。
| 金利 | 月々の返済額 | 35年間の総返済額 |
|---|---|---|
| 1.79%(2026年1月頃の水準) | 約96,176円 | 約4,039万円 |
| 3.46%(2026年9月の最頻金利) | 約123,293円 | 約5,178万円 |
この例では、わずか半年余りで月々の返済額が約2万7,000円、35年間の総返済額では約1,139万円もの差が生まれる計算になります。金利がどのタイミングで確定するかによって、生涯の負担が大きく変わる可能性があることがわかります。
「賃貸が有利」論との関係
以前お伝えした通り、専門家からは「利息が家賃と同等、もしくはそれ以上になるのであれば、借金リスクのない賃貸の方が合理的」という見解が示されています(出典:@DIME 2026年7月31日公開、ニッセイ基礎研究所 渡邊布味子さん取材)。今回ご紹介した金利上昇のデータは、その見解の背景をより具体的に裏付けるものといえます。上の計算例のように、月々10万円を超える返済額になる場合、同水準の家賃で借りられる賃貸物件と比較検討する価値は十分にあります。
賃貸・購入を考える際のチェックリスト
- 希望する借入額で、現在の金利だと月々の返済額がどのくらいになるか計算したか
- 同じ返済額(または家賃)で、賃貸ならどのような物件に住めるか比較したか
- 今後のライフプランの変化(転勤・家族構成の変化など)を考慮したか
- 固定金利・変動金利それぞれのリスクを理解しているか
よくある質問
今後、フラット35の金利はさらに上がりますか?
今後の金利動向について、確認できる確定的な予測データは今回見つかりませんでした。金利は長期金利の動きに応じて毎月変動するため、最新情報は住宅金融支援機構や金融機関に確認することをおすすめします。
変動金利なら影響を避けられますか?
変動金利は現時点では固定金利より低い水準にありますが、将来的に金利が上昇するリスクがあります。固定金利と変動金利、それぞれの特徴を理解したうえで検討することが大切です。なお、これは一般的な情報提供であり、個別の借入に関する助言ではありません。具体的な判断は金融機関や専門家にご相談ください。
今の家賃と比較して、購入すべきか判断する方法はありますか?
借入希望額を条件に月々の返済額を計算し、同水準の家賃で住める賃貸物件と比較する方法があります。あわせて、頭金や購入時の税金、維持費(固定資産税・管理費など)も含めて総合的に検討することをおすすめします。
まとめ|金利動向も踏まえた住まい選びを
フラット35の金利は、2026年に入ってから上昇を続け、現行制度以降で最高水準に達しています。長期金利の上昇という構造的な要因が背景にあるため、今後も予断を許さない状況です。マイホーム購入を検討している方は、金利動向を踏まえたうえで、賃貸という選択肢も含めて比較検討することが大切です。特に、これから借入を予定している方は、金利が確定するタイミング次第で総返済額が大きく変わる可能性があることを念頭に置いておくとよいでしょう。
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