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「掲載賃料」と「反響賃料」の差が広がる「ワニの口」現象とは?部屋探しへの影響を解説

2026.09.16

「物件サイトに出ている家賃は高そうに見えるけど、実際にみんなが問い合わせている家賃感はどうなの?」

 

その疑問に答えるデータがあります。結論からいうと、物件情報サイトに掲載されている家賃(掲載賃料)と、実際にユーザーが問い合わせた家賃(反響賃料)の伸び方に差が広がっており、この動きは「ワニの口」にたとえられています。この記事では、最新データとその意味、部屋探しへの影響を解説します。

 

「掲載賃料」と「反響賃料」とは

不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」が毎月発表しているマーケットレポートでは、「掲載賃料」と「反響賃料」という2つの指標が使われています。掲載賃料は物件サイトに掲載されている募集条件(設定家賃)を集計したもの、反響賃料はユーザーが実際に問い合わせをした物件の家賃を集計したものです(出典:株式会社LIFULL、LIFULL HOME’Sマーケットレポート)。つまり、掲載賃料は「貸主側が設定した家賃」、反響賃料は「借主が現実的に検討している家賃」に近い数値といえます。

「ワニの口」のように広がる家賃の差

LIFULL HOME’Sが2026年8月6日に発表した「マーケットレポート2026年7月(賃料動向)」によると、東京23区のファミリータイプの掲載賃料は25万9,107円となり、過去最高値を更新しました。前年同月比では109.2%の伸びです。一方、反響賃料は18万1,950円で、前年同月比103.6%の伸びにとどまりました(出典:株式会社LIFULL 2026年8月6日発表)。

 

掲載賃料と反響賃料の伸び率には約5.6ポイントの差があり、この「掲載賃料は伸び続けるが、反響賃料はそれほど伸びない」という構図が、口を開けたワニのように見えることから「ワニの口」と表現されています(出典:同上)。7月時点での金額差は7万7,157円にまで広がっています。

 

タイプ・エリア別に2026年7月時点のデータを整理すると、以下の通りです。

掲載賃料反響賃料差額
23区・ファミリー259,107円(前年比+9.2%)181,950円(前年比+3.6%)77,157円
23区・シングル136,075円(前年比+14.9%)100,457円(前年比+4.2%)35,618円
都下・ファミリー125,794円(前年比+14.8%)108,026円(前年比+0.8%)17,768円
都下・シングル70,001円(前年比+13.9%)68,899円(前年比+2.0%)1,102円

このように、23区のシングルタイプで伸び率の差が最も大きく、都下のシングルタイプでは掲載賃料と反響賃料の差自体は小さいものの、両方の値が過去最高値を更新している点が特徴です(出典:同上)。

特に差が大きいのは23区のシングルタイプ

表の中でも、伸び率の差が最も大きいのは23区のシングルタイプです。掲載賃料の伸び(+14.9%)が、反響賃料の伸び(+4.2%)の3倍近いスピードで進んでおり、単身者向け物件で「貸主の希望家賃」と「借主が実際に検討している家賃」のズレが特に大きくなっていることがわかります。

 

東京都下(23区以外)ではどうなっているか

23区以外の東京都下でも、同様の動きが見られます。シングルタイプの掲載賃料は7万1円(前年同月比113.9%)で過去最高値を更新し、反響賃料も6万8,899円(前年同月比102.0%)で過去最高値を更新しました(出典:同上)。都下では反響賃料自体も最高値を更新している点が、23区とは異なる特徴です。都心の家賃高騰を受けて、都下エリアへの問い合わせが実際に増えている可能性がうかがえます。

この「ワニの口」が部屋探しに意味すること

掲載されている家賃と、実際に選ばれている家賃にはズレがある

物件サイトで目にする家賃相場は、貸主側が「これくらいで貸したい」という希望に近いものです。一方で、実際に多くの人が問い合わせているのは、それよりも低い家賃帯の物件です。掲載されている相場感だけで「もう自分には無理だ」と判断せず、実際の反響賃料も参考にすることで、現実的な予算感がつかみやすくなります。

強気な家賃設定の物件も一定数ある

掲載賃料の伸びが反響賃料の伸びを上回っているということは、相場より強気な家賃設定のまま掲載され続けている物件も一定数あると考えられます。同じ条件でも家賃に差がある場合があるため、複数の物件を比較検討する価値があります。

部屋探しのチェックリスト

  • 物件サイトの掲載賃料だけで予算をあきらめていないか
  • 同じエリア・条件で、複数の物件の家賃を比較しているか
  • 23区にこだわらず、都下など周辺エリアも候補に入れているか
  • 気になる物件があれば、早めに不動産会社に相談しているか

 

よくある質問

反響賃料が低いなら、家賃交渉はできますか?

物件や貸主によって対応は異なるため、一律にはお答えできません。気になる物件があれば、不動産会社に直接相談することをおすすめします。

掲載賃料と反響賃料、どちらを参考にすればいいですか?

掲載賃料は「市場に出ている家賃の目安」、反響賃料は「実際に多くの人が検討している家賃帯」として、両方を参考にするのがおすすめです。反響賃料に近い物件を中心に探すと、現実的な選択肢が見えやすくなります。

この差は今後も広がりますか?

今後の動向について、確認できる確定的な予測データは今回見つかりませんでした。最新の相場は、部屋探しのタイミングで改めて確認することをおすすめします。

まとめ|「掲載」と「現実」、両方の目線を持つことが大切

2026年7月のデータでは、掲載賃料の伸びが反響賃料の伸びを大きく上回り、「ワニの口」のような差が広がっています。特に23区のシングルタイプでその差が顕著で、貸主が希望する家賃と、実際に借主が検討している家賃帯には距離が生まれています。物件サイトの家賃相場だけを見て予算感を決めつけず、実際に選ばれている家賃帯も意識しながら物件を探すことで、より現実的な選択肢が見えてきます。

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