
「仲介手数料無料の物件って、何か裏があるのでは?」
「無料の代わりに、他の費用が高くなっていない?」
賃貸物件を探していると、「仲介手数料無料」「仲介手数料0円」と記載された物件を見かけることがあります。
仲介手数料は法律上「家賃1か月分+消費税」を上限に設定できる費用のため、無料になれば初期費用を大きく抑えられます。
家賃10万円の物件であれば、仲介手数料1か月分+消費税で11万円が0円になる計算です。
一方で、「仲介手数料無料=必ずお得」とは限りません。
仲介手数料の代わりに事務手数料などの費用が設定されていたり、紹介できる物件が限られていたりする場合があるためです。
この記事では、仲介手数料無料物件の仕組みやメリット・デメリット、契約前に確認したい費用まで詳しく解説します。
初期費用を抑えて賃貸物件を探したい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
仲介手数料無料物件とは?
仲介手数料無料物件とは、不動産会社が賃貸借契約の仲介を行った際に、借主から仲介手数料を受け取らない物件のことです。
まずは仲介手数料そのものの仕組みを確認しておきましょう。
仲介手数料とは
仲介手数料とは、不動産会社の仲介によって賃貸借契約が成立した際に、借主・貸主が不動産会社へ支払う成功報酬です。
宅地建物取引業法46条に基づく国土交通省の告示では、不動産会社が貸主・借主の双方から受け取れる報酬の合計額は、家賃1か月分の1.1倍(家賃1か月分+消費税10%)以内と定められています(出典:CHINTAI情報局「賃貸物件の仲介手数料で家賃1ヵ月分を請求された!これって違法?」2023年8月2日)。
この合計額のうち、借主から受け取れる金額は原則として家賃の0.5か月分+消費税が上限とされていますが、契約時にあらかじめ借主の承諾を得ている場合は、借主から1か月分+消費税を受け取ることも認められています(出典:同上)。
実務上は、借主から家賃1か月分+消費税を受け取る不動産会社が多いとされています(出典:オヘヤゴー「仲介手数料の上限は1.1ヶ月分?初期費用を安くするコツも解説!」)。
なぜ「無料」にできるのか
仲介手数料はあくまで「上限」が定められているだけで、下限はありません。
そのため、不動産会社の方針によって、半額や無料に設定することも法律上可能です(出典:CHINTAI情報局、同上)。
無料にできる背景としては、貸主から広告料(AD)などの形で報酬を受け取っている場合や、集客・自社の営業効率を優先して借主負担を減らしている場合などが考えられます。
仲介手数料無料物件は本当にお得?
結論からいうと、仲介手数料無料物件は初期費用を抑えたい方にとって有力な選択肢です。
ただし、「仲介手数料が無料」という一点だけでお得かどうかを判断するのはおすすめできません。
賃貸契約では、仲介手数料以外にもさまざまな費用が発生するためです。
家賃10万円なら1か月分+消費税の差になることもある
例えば、家賃10万円の物件を比較してみましょう。
| 条件 | 仲介手数料 |
|---|---|
| 仲介手数料1か月分+消費税 | 110,000円 |
| 仲介手数料無料 | 0円 |
この部分だけを比較すれば、仲介手数料無料物件では110,000円分の契約時負担を抑えられます。
敷金・礼金など他の初期費用も重なるタイミングのため、仲介手数料が無料になるメリットは小さくありません。
初期費用総額で比較することが重要
一方、実際の契約では仲介手数料以外にも費用がかかります。
- 敷金・礼金
- 前家賃
- 日割り家賃
- 管理費・共益費
- 保証会社利用料
- 火災保険料
- 鍵交換費用
- その他契約で定められた費用
例えば、仲介手数料が無料でも、その代わりに「事務手数料」「システム利用料」などの名目で費用が設定されている物件もあります。
そのため、「仲介手数料無料だから一番安い」と判断するのではなく、初期費用の見積もりを取得して総額を比較しましょう。
仲介手数料無料物件があるのはなぜ?
「無料にして不動産会社は儲かるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
仲介手数料無料だからといって、必ずしも物件や会社に問題があるわけではありません。
いくつか代表的な理由があります。
貸主から広告料(AD)を受け取っている場合がある
貸主が空室を早く埋めたい場合、不動産会社に対して広告料(AD)と呼ばれる報酬を支払うことがあります。
この広告料を原資にできる場合、不動産会社は借主から仲介手数料を受け取らなくても収益を確保できます。
自社管理物件を扱っている場合がある
不動産会社が自社で管理する物件(貸主から直接管理を任されている物件)を紹介する場合、貸主との関係が近いため、仲介手数料を借主に請求しない設定にしやすいケースがあります。
オンライン完結・省人化によるコスト削減
内見をセルフ内見にする、来店なしでオンライン上で契約を完結させるなど、営業にかかる人件費や店舗コストを抑えることで、仲介手数料を無料にしている不動産会社もあります。
仲介手数料無料物件のメリット
仲介手数料無料物件の最大のメリットは、やはり契約時に必要なお金を抑えやすいことです。
そのほかにも、部屋探しを進めるうえでいくつかメリットがあります。
初期費用を大きく抑えられる可能性がある
仲介手数料1か月分+消費税の物件と比較すると、家賃10万円で110,000円、家賃8万円でも88,000円の差になります。
特に家賃相場が高いエリアでは、仲介手数料の有無による初期費用の差も大きくなります。
家具・家電などに予算を回せる
一人暮らしを始める場合、賃貸契約以外にもさまざまな費用が必要です。
仲介手数料を抑えられれば、その分を家具・家電や引っ越し代、新生活の予備費などへ回せます。
複数の候補物件を比較検討しやすい
仲介手数料の負担が軽ければ、契約の候補物件を絞り込む際、初期費用を理由に選択肢を狭める必要が少なくなります。
仲介手数料無料物件のデメリット・注意点
仲介手数料無料物件にはメリットがある一方、契約前に確認しておきたいポイントもあります。
紹介できる物件が限られる場合がある
仲介手数料無料は、貸主からの広告料など特定の収益構造が前提になっていることが多いため、紹介できる物件が「広告料の出る物件」「自社管理物件」などに限られる場合があります。
他社が扱う一般的な人気物件をすべて無料で紹介できるとは限らない点は理解しておきましょう。
仲介手数料以外の費用が発生する場合がある
仲介手数料無料という表示は、基本的に「仲介手数料が0円」という意味です。
敷金・礼金、保証会社利用料、火災保険料、鍵交換費用などまで無料になるという意味ではありません。
また、契約書上「事務手数料」「書類作成費」などの名目で別途費用が発生する物件もあるため、内訳を確認することが大切です。
「無料」の範囲を必ず確認する
物件によっては、「一定の条件を満たした場合のみ無料」「特定のキャンペーン期間のみ無料」といったケースもあります。
申し込み前に、無料の適用条件を必ず確認しましょう。
仲介手数料無料物件で特に確認したい5つの費用
仲介手数料無料物件がお得か判断するには、ほかにどのような費用が設定されているか確認することが重要です。
1.事務手数料・書類作成費
仲介手数料の代わりに、事務手数料などの名目で費用が発生する場合があります。金額と内容を確認しましょう。
2.保証会社利用料
保証会社の利用が必須となっている物件では、初回保証料に加え、更新保証料や月額保証料などが発生することもあります。
3.鍵交換費用
入居時に鍵交換費用が設定されている物件もあります。金額や負担条件は物件によって異なります。
4.敷金・礼金
仲介手数料が無料でも、敷金・礼金が別途設定されている場合は初期費用全体が大きくなります。あわせて確認しましょう。
5.火災保険料
賃貸契約では火災保険への加入が条件となっているケースが一般的です。指定の保険会社があるかどうかも確認しておきましょう。
仲介手数料だけを見るのではなく、すべての費用を含めた見積もりで比較することが、失敗しない物件選びにつながります。
仲介手数料あり・なしはどちらがお得?費用をシミュレーション
仲介手数料無料物件がお得かどうかは、仲介手数料の有無だけでは判断できません。
ここでは、家賃8万円の物件を例に簡単にシミュレーションしてみましょう。
| 項目 | 物件A(仲介手数料あり) | 物件B(仲介手数料無料) |
|---|---|---|
| 家賃 | 8万円 | 8万円 |
| 仲介手数料 | 1か月分+消費税(88,000円) | 0円 |
| 敷金・礼金 | 各1か月(合計16万円) | 各1か月(合計16万円) |
| 初期費用合計(目安) | 約24.8万円+その他諸費用 | 約16万円+その他諸費用 |
この条件だけを見れば、物件Bは契約時に88,000円ほど初期費用を抑えられます。
ただし、敷金・礼金や保証会社利用料、事務手数料などは物件ごとに異なるため、実際には不動産会社から見積もりを取り、総額で比較することが欠かせません。
仲介手数料無料物件がおすすめの人
仲介手数料無料物件は、特に契約時のまとまった支出を抑えたい方と相性のよい物件です。
初期費用をできるだけ抑えたい人
仲介手数料1か月分+消費税がなくなるだけでも、数万円〜十数万円の差になります。手元に残しておきたい資金がある方には有力な候補です。
複数の物件をじっくり比較したい人
初期費用の負担が軽ければ、内見や検討にかけられる時間や選択肢の幅も広がります。
急な転勤や引っ越しでまとまった資金を用意しにくい人
転勤や転職などで急に引っ越しが決まった場合も、仲介手数料無料物件なら契約時の支払額を抑えられる可能性があります。
仲介手数料無料だけで選ばない方がいい人
仲介手数料無料物件そのものを避ける必要はありません。
ただし、次のような方は「無料」という条件だけを優先せず、ほかの条件とのバランスを重視した方がよいでしょう。
特定の人気物件を狙っている人
希望条件が非常に限定的な場合、仲介手数料無料を扱う不動産会社の取扱物件だけでは選択肢が足りない可能性があります。他社の物件情報も含めて相談してみましょう。
費用の内訳を確認するのが苦手な人
「仲介手数料無料」という一文だけで判断せず、事務手数料や保証会社利用料など、契約書に記載された費用をひとつずつ確認する必要があります。
分からない費用がある場合は、契約前に不動産会社へ確認しましょう。
仲介手数料無料物件を契約する前のチェックリスト
気になる仲介手数料無料物件を見つけたら、申し込み前に次の項目を確認しましょう。
- 仲介手数料が本当に0円か(適用条件はあるか)
- 初期費用の総額はいくらか
- 事務手数料など仲介手数料以外の費用があるか
- 敷金・礼金はいくらか
- 保証会社の初回保証料・更新料・月額料金はいくらか
- 火災保険料はいくらか(指定の保険会社はあるか)
- 鍵交換費用はいくらか
- 紹介してもらえる物件の範囲はどこまでか
すべて確認したうえで、仲介手数料がかかる物件とも総額を比較するのがおすすめです。
見積もりをもらってから判断する
ポータルサイトの「仲介手数料無料」という表示だけでは、契約時に必要な金額のすべては分かりません。
気になる物件が見つかったら、不動産会社から初期費用の見積もりを取得しましょう。
仲介手数料無料物件に関するよくある質問
仲介手数料無料物件はやめた方がいいですか?
仲介手数料無料という理由だけで避ける必要はありません。初期費用を抑えられる可能性があり、条件によっては非常に魅力的な選択肢です。ただし、事務手数料や保証会社利用料などを確認し、総額で判断しましょう。
仲介手数料無料は違法ではないですか?
違法ではありません。宅地建物取引業法46条に基づく告示で定められているのはあくまで「上限」であり、下限はないため、無料にすること自体は法律上問題ありません(出典:CHINTAI情報局「賃貸物件の仲介手数料で家賃1ヵ月分を請求された!これって違法?」2023年8月2日)。
仲介手数料が無料なら初期費用も安くなりますか?
仲介手数料の分は安くなりますが、初期費用全体が必ず安くなるとは限りません。敷金・礼金、保証会社利用料、事務手数料などが別途発生する場合があるため、総額で比較する必要があります。
仲介手数料の相場はいくらですか?
法律上の上限は家賃1か月分+消費税(1.1か月分)で、実務上は借主から1か月分+消費税を受け取るケースが多いとされています(出典:オヘヤゴー「仲介手数料の上限は1.1ヶ月分?初期費用を安くするコツも解説!」)。原則としては貸主・借主それぞれ0.5か月分+消費税が基本ですが、承諾があれば借主が1か月分をまとめて負担することも認められています。
仲介手数料無料物件は「総額」で判断しよう
仲介手数料無料物件は、契約時の初期費用を抑えたい方にとって魅力的な選択肢です。
家賃10万円の物件であれば、仲介手数料1か月分+消費税の110,000円がなくなる計算になります。
ただし、仲介手数料が無料だからといって、必ず一番お得な物件とは限りません。
事務手数料や保証会社利用料などが設定されている場合もあり、紹介できる物件の範囲が限られることもあります。
物件を比較するときは「仲介手数料無料」という表示だけではなく、初期費用の総額、敷金・礼金、保証会社利用料まで確認しましょう。
仲介手数料無料で部屋を探すならテレルーム
「仲介手数料無料の物件を探したい」
「できるだけ初期費用を抑えて引っ越したい」
「気になる物件があるけれど、初期費用がいくらになるのか知りたい」
そんな方は、テレルームへご相談ください。
また、SUUMO・HOME’S・アットホームなどで気になる物件を見つけた場合は、物件情報を共有して相談する方法もあります。
初期費用だけでなく、入居後まで考えながら、自分に合った賃貸物件を探しましょう。
