
不動産を初めて売買するときに、複雑な手続きや専門用語の多さに戸惑う人は少なくありません。しかし、基本的な流れや注意点をあらかじめ知っておけば、安心して取引を進められるでしょう。
この記事では、不動産売買の基礎知識や手続きの流れ、注意点まで解説します。最後まで読んで不動産売買に関する不安を解消し、スムーズな取引をしましょう。
※本記事に記載されている内容は、2025年7月執筆時点のものです。記事公開以降に、法改正される可能性もありますので、最新情報は国税庁や法務局のホームページなどでご確認ください。
目次
不動産売買の基礎知識
不動産売買は、土地や建物の権利を変更する大切な取引です。この取引を円滑に進めるためには、不動産会社との関わり方や、発生する手数料について理解しておきましょう。
不動産仲介の3つの契約
不動産を売却する場合、不動産会社に売却を依頼する際に結ぶ媒介契約には、主に3つの種類があります。
契約の種類 | 他社との契約 | 自力での買主探し | 契約期限 | 報告義務 |
---|---|---|---|---|
一般媒介契約 | 可能 | 可能 | なし | 任意 |
専任媒介契約 | 不可 | 可能 | 最長3ヶ月 | 2週間に1回以上 |
専属専任媒介契約 | 不可 | 不可 | 最長3カ月 | 1週間に1回以上 |
複数の不動産会社で比較したいときは一般媒介契約、自力で買主を探しながらも不動産会社のサポートを積極的に受けたいときは専任媒介契約がおすすめです。一方で、不動産会社に売却活動をすべて任せたい場合は専属専任媒介契約が適しています。
不動産会社に支払う仲介手数料とは
仲介手数料は、売買が成立したときに発生する成功報酬です。仲介手数料の上限額は、宅地建物取引業法によって以下のように定められています。
不動産の売買価格(税抜) | 仲介手数料の上限額 |
---|---|
400万円超 | 売買価格(税抜)×3%+6万円+消費税 |
200~400万円以下 | 売買価格(税抜)×4%+2万円+消費税 |
200万円以下 | 売買価格(税抜)×5%+消費税 |
売買価格が3,000万円の不動産の仲介手数料の上限は(3,000万円 × 3% + 6万円) × 1.10(消費税10%) = 99万円です。
参考:建設産業・不動産業:<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ | 国土交通省
不動産売却の流れ
不動産を売却する際は、いくつかの段階を踏んで進めます。事前に全体の流れを把握しておき、計画的に売却を進めてください。
査定依頼
査定とは、不動産会社があなたの家や土地の価値を調べ、売れそうな価格を出してくれることです。査定には、実際に家を見て詳しく調べる「訪問査定」と、周辺の売買事例や物件情報から大まかな価格を出す「机上査定」の2種類があります。
複数の不動産会社に査定を依頼し、市場価格に基づいた適正な売却価格を知りましょう。査定価格は不動産会社によって異なるため、その金額になった理由やどのような売却活動をしてくれるのか、比較検討することが重要です。
媒介契約を締結
査定額や不動産会社の対応に納得できたら、媒介契約を締結します。媒介契約とは、あなたの不動産を売る活動を不動産会社に正式にお願いするための契約です。
契約書には、売却価格や契約期間などが記載されています。契約する前に内容を確認し、疑問点があれば不動産会社の担当者に質問しましょう。
不動産会社による売却活動
媒介契約を締結すると、不動産会社はあなたの不動産の売却活動を本格的に開始します。不動産会社は、インターネットの不動産情報サイトへの掲載やチラシの作成・配布などを行います。
またオープンハウスを開催したり、見学希望者への内覧案内を行ったりもします。売主として、内覧時に家をきれいに片付けたり、購入希望者の質問に答えられるように準備したりするなど、協力が求められる場面もあります。
不動産会社から定期的に報告を受け、売却活動の状況を把握しておきましょう。
買主と売買契約の締結
購入希望者が見つかり、価格や引き渡し時期などの条件がまとまったら、買主と売買契約を締結します。
契約時に、宅地建物取引士が重要事項説明を行います。重要事項説明とは、不動産の詳しい情報や、契約に関する重要な内容を買主に説明することです。
売買契約が成立すると、買主から手付金が支払われます。手付金の相場は、売買代金の5%~10%程度です。
決済・引き渡し
売買契約を締結した後、決済・引き渡しが行われます。売買代金の残りを買主から受け取り、不動産の所有権を買主に移し、鍵などを引き渡す手続きです。
決済日には、買主から残りの売買代金が支払われ、同時に所有権移転登記の手続きが進められます。司法書士が同席し、登記手続きを代行してくれるのが一般的です。
また固定資産税や都市計画税などの精算も同日に行われます。すべての手続きが完了したら、買主に鍵を引き渡すと売却は完了します。
不動産売買はテレルームがサポート
不動産売買は、専門的な知識と多くの手続きが必要です。もし、売却を進める上で不安や疑問を感じる場合は、売買のあらゆる段階をサポートできるテレルームをご利用ください。
テレルームは査定から売却活動、引き渡しまで、それぞれのステップで適切なアドバイスを提供します。プロがそばにいることで、安心して売却を進められるでしょう。
不動産購入の流れ
不動産を購入する際も、計画的に進めることが成功の鍵となります。ここからは、不動産購入の一般的な流れについて説明します。
希望条件の決定・資金計画
まずは立地や間取り、設備などの希望する条件を整理しましょう。同時に頭金はいくら用意できるのか、毎月の住宅ローンの返済額はどのくらいが妥当なのかといった資金計画を立てます。
資金計画を立てる際には、仲介手数料や税金など住宅購入にかかる諸費用も考慮する必要があります。自己資金でどこまでまかなえるのか、住宅ローンはどの金融機関で借りるのかなどを検討し、無理のない資金計画を立ててください。
住宅ローンの事前審査
資金計画を立てたら、住宅ローンの事前審査を受けておきましょう。事前審査とは、あなたが住宅ローンを借りられるかどうかを、金融機関が簡単な情報をもとに判断してくれるものです。
事前審査に通ると、実際に物件を購入する際にスムーズに本審査に進められます。
物件選び
事前審査に通過後、いよいよ物件選びに進みます。不動産会社から紹介される物件情報や、インターネットの不動産情報サイトから希望に合う物件を探します。
気になる物件が見つかったら、実際に内覧をして日当たりや風通し、室内の状態などをご自身の目で確認しましょう。物件の良い点だけでなく、気になる点や修繕が必要な場所なども細かくチェックすることが大切です。
媒介契約の締結
購入したい物件が決まったら、不動産会社と媒介契約を締結します。契約書には、希望する購入価格や仲介手数料などが記載されています。契約を結ぶ前に、内容を十分に理解し、疑問点がないか確認しましょう。
売主と売買契約の締結
購入の条件が売主と合意に達すると、売主と売買契約を締結します。契約書に署名・捺印し、手付金を支払うと、売買契約が正式に成立します。
住宅ローンの本契約
事前審査を通過していても、本契約で改めて詳細な審査が行われます。
本契約では、金利や返済期間などの住宅ローンの具体的な条件が確定します。契約内容を十分に理解し、無理のない返済計画になっているかを確認してください。そして必要書類を揃え、金融機関の指示に従って手続きを進めます。
決済・引き渡し
住宅ローンの本契約が完了したら、いよいよ決済・引き渡しです。
決済日には、買主から売主へ残りの売買代金が支払われ、同時に所有権移転登記の手続きが司法書士によって行われます。すべての手続きが完了し、鍵を受け取れば、手続きは完了です。
不動産売買にかかる費用
不動産を売買する際には、物件の価格だけでなく、さまざまな費用がかかります。費用を事前に把握しておくと、資金計画を立てやすくなるでしょう。
不動産売却にかかる費用
不動産を売却する際には、以下のような費用がかかります。
費用の種類 | 概要 |
---|---|
仲介手数料 | 不動産会社に支払う手数料 |
印紙税 | 売買契約書に貼る収入印紙代。契約金額によって異なる。 |
不動産取得税 | 不動産購入時に一度だけ課税される税金 |
登記費用 | 登記申請時に支払う登録免許税や司法書士への報酬など、所有権に関する登記を変更する費用 |
測量費用 | 土地の境界が不明確な場合にかかる費用 |
譲渡所得税・住民税 | 不動産を売って利益が出た場合にかかる税金 |
その他費用 | 住宅ローンが残っている場合の返済手数料、引っ越し費用など |
上記の費用は、売却する不動産の種類や価格、そして売却条件によって大きく異なります。事前に不動産会社に相談し、どのくらいの費用がかかるのかを把握しましょう。
不動産購入にかかる費用
不動産を購入する際には、以下のような費用がかかります。
費用の種類 | 概要 |
---|---|
仲介手数料 | 不動産会社に支払う手数料 |
印紙税 | 売買契約書に貼る収入印紙代 |
登記費用 | 不動産の所有者を変更する費用 |
不動産取得税 | 不動産を取得したときに一度だけかかる税金 |
固定資産税・都市計画税 | 不動産を所有している人が毎年支払う税金。引き渡し日のタイミングで日割り清算されるケースがある。 |
住宅ローン費用 | 事務手数料、保証料、火災保険料など |
その他費用 | 引っ越し費用、リフォーム費用など |
購入にかかる費用は、一般的に物件価格の6~10%程度と言われています。3,000万円の物件を購入する場合の諸費用は、180~300万円程度です。
不動産購入にかかる税金について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
不動産取得税とは?支払いタイミングや軽減措置をわかりやすく解説
固定資産税とは | いつ・どのくらい支払う?計算方法と特例や控除まで
都市計画税とは?固定資産税との違いや計算方法、軽減措置を解説
不動産売買の注意点
不動産売買は大きな金額が動く取引であり、後でトラブルにならないように事前に注意点を確認しましょう。
信頼できる不動産会社と契約する
初めての不動産売買では、市場の動向や複雑な契約内容など、分からないことばかりで不安に感じるかもしれません。そんな時に親身になって相談に乗ってくれ、分かりやすい言葉で丁寧に説明してくれる不動産会社を選べると、安心して手続きを進められます。
信頼できる会社を見つけるには担当者の専門知識、そして何より丁寧な対応をよく見て判断しましょう。複数の会社から査定を取り、担当者との相性を見極めるのもよい方法です。
期限内に確定申告をする
不動産を売却して利益が出た場合、原則として期限内に確定申告をする必要があります。確定申告とは、1月1日から12月31日までの所得と税金を計算し、税務署に申告・納税する手続きです。
不動産を売却した年の翌年の2月16日から3月15日までに、管轄の税務署へ確定申告書を提出します。
不動産を売却して利益が出たにもかかわらず申告を忘れると、延滞税が課税される可能性があるため、早めに手続きを進めましょう。また購入時に確定申告をすると、特例によって翌年度の税金が軽減できるケースがあります。
まとめ
不動産売買は、不動産会社との媒介契約の種類を理解し、仲介手数料や税金といった費用を把握することが重要です。売買契約の内容は、後々のトラブルを防ぐためにも、隅々まで確認してください。
売却で利益が出た場合は、忘れずに期限内に確定申告を行いましょう。初めての不動産売買で不安な場合は、安心して任せられる専門家を見つけることが重要です。担当者の専門知識や相性を確認して、依頼するか判断してください。
不動産売買ならテレルームにお任せ
不動産売買は、専門知識や複雑な手続きが多く、不安を感じることもあるかもしれません。安心して不動産売買をするには、テレルームにご相談ください。
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